カテゴリー: 社会

Bye Bye Italy!

少し前のことだが、スーパーのレジの脇のラックに日本の若い女性の顔写真を一面全部に使って、Bye Bye Italy!という大見出しをつけたタブロイド版の新聞があった。早速買って読んでみると、ドイツの新聞と朝日新聞がとりあげたローマについての良くない事柄をいろいろ挙げ、そのために日本からの旅行者の数が目だって減っていると書いてあった。

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弱者に優しいイタリア。

日本のことをインターネットで見ていたら、乗り物で年寄りに席を譲るべきか譲らざるべきかという、なんとも馬鹿馬鹿しい議論が出ていた。譲らざるべきの主な理由は、自分はまだ年寄りではない、余計なお世話と厭な顔で拒否する人がいるから、というものだった。拒否した人は、たとえ乗り物で座らないことが主義であったとしても、年寄りに見えたから席を譲られたのであり、座らない理由を言って好意に礼を言うべきなのに、そんな礼儀も知らずに歳だけとった人間が増えたのかと情けなくなった。イタリアではこうした議論は絶対に起こらない。気持ちを大切にするイタリア人は人の好意を素直に喜んでくれるから、好意を示したほうも気持ちよくなり、また好意を示す。好循環である。
実際に体験したり見たりしことをいくつか挙げてみよう。 (さらに…)

言葉のタブー。

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イタリアは北と南の経済格差が大きい。全20州のうちの8州が北イタリアに属するが、その中のトリノを州都とするピエモンテ州、ミラノを州都とするロンバルディア州、ジェノヴァを州都とするリグリア州、ヴェネツィアを州都とするヴェネト州、ボローニャを州都とするエミリア・ロマーニャ州の5州と、その南に隣接してフィレンツェを州都とするトスカーナ州の6州で、イタリア全体の税収の半分を負担している。そのため、 (さらに…)

色濃く残る階級意識。

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イタリアへ来た当初は、こちらの若い知人がアメリカ人のモデルとお忍びで会うために持っていたミラノのアパートに2ヶ月ほど住み、イタリアに少し慣れたところでコモの小さなホテルに移ってアパート探しを始めた。
初めはアパートを買うつもりでコモでは大手の不動産屋へ行ったが、朝と晩とで条件を変えてくるので怖くなって買うのをやめて、他の不動産屋で賃貸を探すことにした。これが正解で、あとから分かったことだが、日本人ということで足元を見られ、相場よりも5割も高い値段を吹っかけられていた。 (さらに…)

イタリアは、戦争をしていない。

Mussolini

僕が住んでいるコモからスイス側の国境の町キアッソーまでは5キロ、電車ならひと駅、コモの市バスも利用することができる。そんなに近くても外国のスイスにはコモでは売っていないものがあったりするから、たまにはキアッソーに買い物に行く。イタリアと国境で接している国はスイスのほかにフランス、オーストリア、スロヴェニアがあるが、この3国は (さらに…)